わたしの娘は今小学校の教員をやっています。先生になって5年目で、転勤が2回ですが自分から希望して行った転勤ですからしょうがありません。
今はちょっと田舎のひなびた感じの小学校にに行ってます。
しかし田舎なのに逆に子どもたちの数は多いのだそうです。
都心を離れた買いやすい住宅団地ができているからでしょう。
その娘が最近こぼすのです。とにかくこの学校は書類がやたらに多いと。
生徒にも教員仲間にも回さなければならない書類がほんと膨大なんだと言うのです。
ですからわたしが「そんなのポンポン押してまわしちゃえばいいのに」というと彼女はそういう訳にもいかないと言います。
そして「あんまり使うからハンコのフチがちょっと欠けちゃってるんだ」とまで言うのです。
わたしはなんだか娘が可哀想になって、思わず「じゃぁ頑丈でかっこいいハンコをお母さんが買ってあげるよ」と言ってしまったのです。
さあそれからが大変でした。
ハンコ屋さんになんてもう随分行ってませんし、今どんなハンコがあるのか、どんなものが流行っているのかも知りませんでした。
そうです、どんなものにでも必ずはやり廃りというものがあるのだということを、わたしはGパンやかのボディコンのスーツの時にイヤっというほど身を以て思い知らされていたのですから。流行っているものを無視するほど愚かなわたしではありませんでした。
でハンコ屋さんに行く前に、娘には彼女のファーストネームつまり名前で彫ってもらった印鑑をあげようと心に決めていたのです。
そしてどうして名前の印鑑を作ってあげようと決めたのかというと、わたし自身が娘時代に両親から名前で彫られた印鑑を作ってもらったということを思い出したからなのです。
そして母はこうも言いました「オンナは結婚すると苗字が変わっちゃうんだから、作るんなら絶対に名前だけのにするんだよ」というものでした。
そして母はこれだけは永遠普遍に変わらないであろうわたしの名前で彫った印鑑を「大切に使うんだよ」と言って渡してくれたのです。
わたしも当時は印鑑の価値なんてまったく知らず、ケースごとうっちゃっておいたのですが段々とアパートの契約だとか、銀行口座の新設だとか給料の受け取り(信じられないでしょうが当時は銀行振込ではなかったのです)とか、やたらに押印をさせられたものだったので自然にマイハンコにも愛着が湧いてくるようになったのです。
これからわたしの娘だってもっと印鑑を使う機会が増えてくるはずですし、職業柄からも丈夫なハンコがあったほうがいいのは当然なはずです。
そうして先日ハンコ屋さんに印鑑を見にいったのです。頑丈でかっこいいハンコのアタリをつけに。
すると条件通りものを見つけました。
驚いたことに今の印鑑屋さんはそのほとんどが選べるようになっているのでした。
本体の材質はもちろん、ケースのデザイン・カラー・材質にいたるまで。
わたしは迷わずにお店の方にレクチャーを受けた、とにかく丈夫でカッコイイ、チタン素材娘仕様の印鑑を選びました。
もちろん娘の名前で。
なんて親ばかなんでしょうね。
こんなわたしを笑ってやってください。